今回はフィリピンの観光ビザの取得時・期間延長時の必要書類と手続き方法を解説します。
フィリピンの観光ビザに関しては結構誤った情報が出回っているようなので、その辺も含めて詳細に記載しています。
目次
フィリピンを訪れる際に観光ビザは必要?
日本人は30日間の無査証短期滞在が認められており、観光目的でフィリピンを訪れる際にビザは必要ありません。
ただしフィリピンからの出国用チケット(日本行きではなく他の国行きでも良い)を持っていないと日本からの出国を拒否されてしまうので、必ず出国用チケットを用意しておきましょう。
出国予定日が不明の場合には日付変更が可能なチケットか、格安の捨てチケットを購入しておくと良いでしょう。
入国の際にはパスポートの有効期限が6ヶ月以上先である必要があると解説しているサイトがありますが、実はこれは誤りです。
正確にはパスポートの有効期限が滞在日数+6ヶ月以上である必要があります。
しかも日本はこの制約の例外国に含まれているので、パスポートの期限が6ヶ月を切っていても滞在期限以上であれば大丈夫なのです。
※Bureau of Immigrationを参照
ただしこれは入国時の話で、もし現地でビザの延長をするならその際にはパスポートの期限が6ヶ月以上である必要があります。
無査証滞在の延長
多くのウェブサイトで「30日を超える滞在には観光ビザが必要」と記載がされていますが、正確にはこれは誤りです。
フィリピン入国時に最初に認められる無査証滞在期間は30日までで、それを超えて滞在する場合は最大で29日間の延長が可能となっています。
つまりフィリピンでは延長手続きをすれば最長59日間まではビザなし滞在が可能なのです。
しかし、無査証滞在の延長も観光ビザの取得も手続き方法は基本的には同じなので、以下では「観光ビザの取得方法」として記載します。
観光ビザの取得方法
最長滞在可能日数は?
観光ビザでの滞在可能な日数は、初期の無査証滞在期間を含めて最長で36ヶ月までとなります。
それを超えて滞在したい場合は一度他国へ出国して、フィリピンに戻って来ましょう。
再度30日間の無査証滞在期間が与えられ、最長36ヶ月までの観光ビザ延長が可能となります。
このように他国へ一度出国してビザをリセットすることをビザランと言って、タイなどでは取り締まりが厳しくなりつつあるようですが、今のところフィリピンではそういった動きは見られません。
手続きに必要なもの
観光ビザの取得に必要なものは以下の通りです。
- パスポート
- 申請用紙
- 申請費用
以前は2×2インチの証明写真も必要でしたが今は必要なくなっています。
ただ、フィリピンは色々なことが適当なので稀に写真を求められることもあるようです。
不安な方はショッピングモールやその辺のインターネットショップで100ペソも掛からずに撮ってもらえるので念のために持っていきましょう。
申請用紙は以下のウェブサイトからDLすることもできますが、イミグレにも置いてあります。
Bureau of Immigration:「Application Form」をクリック。
手続きに必要な料金
観光ビザの取得に掛かる料金は以下の通りとなっています。
滞在日数 | 1ヶ月延長料金 | 2ヶ月延長料金 |
1〜30日 | 0ペソ | 0ペソ |
31〜59日 | 3,030ペソ | 不可 |
60〜89日 | 4,400ペソ | 4,900ペソ |
90〜119日 | 2,430ペソ | 2,930ペソ |
120〜149日 | 2,430ペソ | 2,930ペソ |
150〜179日 | 2,430ペソ | 2,930ペソ |
180日〜 | 3,840ペソ | 4,340ペソ |
観光ビザは1回の手続きで1〜2ヶ月の延長が可能と記載したサイトが多いですが、実は1、2、または6ヶ月の延長が可能です。
ただ、この辺もフィリピンの適当なところで、6ヶ月延長できたという人もいれば、2ヶ月までしか延長できなかったという人もいます。
担当者の胸先三寸といった感じだと思いますので、長期滞在をするならダメ元で6ヶ月で申請してみましょう。
イミグレの場所
観光ビザの取得・延長はイミグレーションにて可能です。
以下が、主要なイミグレオフィスの住所になります。
住所:MAGALLANES DRIVE, INTRAMUROS 1002 MANILA
窓口時間:8:00〜17:00
電話番号:(02) 465-2400
住所:2nd Level J Centre Mall, A.S Fortuna St., Bakilid, Mandaue City, Cebu 6014
窓口時間:記載なし
電話番号:(032) 345-6441
住所:Ground, Floor, Metro Supermarket, MarQuee Mall, Pulung Maragul, Angeles City 2009
窓口時間:8:00〜17:00(16:00受付終了)
電話番号:(045) 404-0215
住所:JP Laurel Avenue, Bajada, Davao City
窓口時間:7:00〜17:30(16:00受付終了)
電話番号:(082) 228-6477
その他のイミグレオフィスの場所に関してはこちらの地図をご参照ください。
クラークやパサイなど結構色々な場所にあるので、自分の滞在している場所の近くにオフィスがあるかもしれません。
営業時間に関しては結構頻繁に変わるようなので、実際に訪れる前に確認しましょう。
また、フィリピンでは数日前になって急遽祝日が制定されたり、地域限定の祝日などもあります。
訪れるイミグレの地域が祝日ではないか、手続きに向かう前日ぐらいには念のために確認しておきましょう。
オフィスにもよりますが、短パンやサンダルでの入場が認められないイミグレオフィスもありますので、その点も注意してください。
手続き方法
まずは申請用紙を記入します。
事前にこちらからDLして書いて持っていっても良いですし、イミグレに置いてあるものを当日記入しても良いです。
Bureau of Immigration:「Application Form」をクリック。
記入は以下の画像をご参照ください。
以降の手順は手続きをするオフィスごとに若干の違いがあるかと思いますが大体以下のようになります。
- 申請用紙をパスポート(必要なら証明写真も)と一緒に「Receiving窓口」に提出する
- CertificationとPAYMENT SLIPを渡されるので「Cashier窓口」にて料金を支払い、Official Receiptを受け取る
- ビザが発給されると呼び出されるので「Releasing窓口」でパスポートを受け取る
※マニラのメインオフィスだと「Receiving」ではなく「Visa Extension」になっています
Official Receiptは以下で説明するECC取得の際に必要となりますので、捨てずに取っておきましょう。
観光ビザで滞在する際の注意点
60日以上の滞在には外国人登録証(ACR I-Card)が必要
フィリピンに60日以上滞在する外国人はACR I-Cardと呼ばれる外国人登録証が必要となります。
このカードは60日目以降のVISAを取得する際に、同時に取得できます。
申請の際に必要なものは以下の通り。
- 申請用紙
- パスポート
- パスポートの顔写真のページ、入国時と最新のビザスタンプのページのコピー
- 2×2インチの証明写真2枚(3ヶ月以内に撮影した白背景のもの)
- 申請費用
申請用紙はイミグレオフィスでも手に入りますが、事前にこちらのページからDLして記入していっても良いです。
Bureau of Immigration:「Application Form」をクリック。
取得にかかる費用は50USD + 500ペソとなっていますが、50USDの分は勝手にペソに換算してくれるので全額フィリピンペソでの支払いとなります。
申請からカードの発行まで1、2週間ぐらい掛かるので、カードを取るために後日イミグレを再度訪れる必要があります。
中にはACRカードの申請が不可能なイミグレオフィスもあります。
こちらの地図から手続きをしたいオフィスをクリックし、ACRカードの手続きが可能か確認してから訪れましょう。
6ヶ月以上滞在した場合は出国時に出国許可証(ECC)が必要
フィリピンに6ヶ月以上滞在した場合には出国時にECCと呼ばれる出国許可証を求められ、これがなければ出国を認められません。
ECCには、観光ビザで6ヶ月以上滞在した際に必要となるECC-Aと、ワーキングビザや結婚ビザ保有者が必要となるECC-Bがあります。
ECC-Bは出国時に空港で取得できるので省略し、ここではECC-Aの取得手順に関して説明します。
ECC-Aの取得に必要なものは以下の通り。
- 申請用紙
- パスポート
- ACR-Iカードとそのコピー
- パスポートの顔写真のページ、入国時と最新のビザスタンプのページのコピー
- 最後に申請したビザのレシートのコピー
- 2×2インチの証明写真5枚(3ヶ月以内に撮影した白背景のもの)
- 申請費用
申請用紙はイミグレオフィスでも手に入りますが、事前にこちらのページからDLして記入していっても良いです。
Bureau of Immigration:「Application Form」をクリック。
中には出国用チケットを求められたという人もいるので、念のために持っていくと良いでしょう。
申請費用は謎です。最近は無料になったという情報もありますが、500ペソ取られたという人もいるし、710ペソ取られたという人もいます。
証明写真も公式サイトでは5枚となっていますが、4枚で大丈夫だった、6枚必要だったという人もいます。
ECCの有効期限は1ヶ月で、出国の3日前までに取得が必要となっていますが、前日に手続きして取得できたという人もいます。
以前は申請した日に発行されていましたが、最近は後日発行となるケースも多いので、その際には後日再度イミグレを訪れる必要があります。
ECCの手続きにはフィリピンのいい加減さがこれでもかと詰め込まれています。
中にはECCの申請が不可能なイミグレオフィスもあります。
こちらの地図から手続きをしたいオフィスをクリックし、ECCの手続きが可能か確認してから訪れましょう。
オーバーステイをしたら罰金!
オーバーステイをした場合は本来のビザ料金に加えて1ヶ月当たり500ペソのペナルティが課されます。
実際私の友人が数日のオーバーステイをして罰金を払っていましたが、数ヶ月・数年などの悪質なケースだと強制送還、最悪収監される可能性もあります。
ビザの取得・更新は必ず行いましょう。
まとめ
以上、フィリピンの観光ビザ情報でした。
特に重要なのはこの辺。
- 30日を超える滞在では延長手続きが必要
- 60日以上の滞在ではACRカードの申請が必要
- 半年以上滞在した人は出国前にECCの取得が必要
手続きは全て英語のためハードルが高く感じるかもしれませんが、相手は1日に何十、何百件と同じ作業をこなしているので流れ作業のようなものです。
実際やってみればこんなものか、と拍子抜けするぐらい簡単です。
高額な手数料を払ってエージェントに頼むほどのものでもないので、自分で手続きしちゃいましょう。