フィリピンに移住を考えているけど移住後の生活が不安だ、という方は結構いるんじゃないでしょうか。
実際フィリピンに移住をしてみて失敗だったという人は結構います。
今回の記事では私が実際にフィリピンに移住してみて感じた良いところ、悪いところを紹介したいと思います。
目次
人がフレンドリー
まずはフィリピンの良いところから。
この国の特に素晴らしいのは人が底抜けに明るくフレンドリーだという点。
親しみやすく、楽しいことが大好きなラテンのノリ。
フィリピンでは日本から英語を学びに来る「フィリピン留学」やインターネットを通じて英語を学ぶ「オンライン英会話」が人気なのですが、これはアメリカやカナダと比べて費用が安く済むからという理由だけでなく、講師が話しやすく授業が楽しいからというのも大きな理由ではないかと思います。
どこでも英語が通じる
前述の通りフィリピンでは日本人向けの英語留学やオンライン英会話が人気で、その講師となる人材も豊富にいます。
これは小学校の頃から授業を英語で受けるという下地があるためと思われます。
「英語の授業」ではなく「算数や理科の授業を英語で受ける」のです。
ホテルや銀行はもちろんのこと、スターバックスやマクドナルドのようなお店のアルバイトでも普通に英語が通じます。
ハリウッド映画はもちろん、ディズニー映画のような子供向けの映画すら映画館で字幕なしに上映されています。
アパートを借りたり、銀行口座を開いたり、インターネット回線を申し込んだりといった手続きも英語さえ話せれば十分。
フィリピンの公用語はタガログ語をベースにしたフィリピン語ですが、フィリピン語を全く話せなくてもこの国で生きていけます。
気候が暖かい
フィリピンは1年を通して温暖な気候で湿度も低いため日本の夏のような肌がベタつくような暑さがありません。
酷暑期の日中にはエアコンが欲しいなと思うこともありますが、夜になれば気温は下がるので暑くて寝られないということはありません。
私は日本の冬も夏も苦手なので、これだけでもフィリピンに移住した大きなメリットを感じています。
物価が安い
フィリピンでの生活費はピンキリです。
マニラの一流コンドミニアムに住んで毎日日本食を食べて、買い物も日本食材店、移動は全てタクシーなんて生活をすれば日本以上にお金が掛かります。
マニラでそこそこ不自由なく暮らしたいという程度なら月10万円もあればお釣りがきます。
地方都市で贅沢せずのんびり暮らしたいならビザ代を含めても月3万円ほどで生きていけます。
ガンガン働いて贅沢に生きるより、ゆるく働いて質素に生きていきたい私にとってはこれも大きなメリットです。
フィリピンでの生活費やビザ代に関して詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。
嘘つきが多い・言い訳ばかりする
ここからはフィリピンの悪いところをご紹介。
まずは簡単に嘘をつく、言い訳が多いという国民性。
フィリピン人は何か不都合があった時すぐにバレる子供のような嘘をついたり、言い訳ばかりして誤魔化そうとします。
例えば、フィリピン人スタッフのミスによりクライアントに迷惑を掛けたことから、クライアントへの報告のために聞き取りをした時など、とにかく自分が悪いのではなく状況が悪かった、運が悪かったという風に話を持って行こうとして本当に何があったのかを話そうとしないため、苦労したことがあります。
フィリピンで働いているとこのようなことは日常茶飯事です。
とにかくフィリピン人は自分のミスを認めず、謝りません。
彼らの好きな言葉は”It won’t happen again(このようなことは2度と起きません)”
「起きた」んじゃなくて「起こした」んだろうとツッコミたくなりますし、実際のところは”It happens again(また起こります)”です。
ただの友人として、あるいは同僚として付き合う分には多少の嘘をつかれても大きな害はありませんが、フィリピン人を部下として働くとなると苦労することになるでしょう。
治安が悪い
フィリピンはお世辞にも治安がいいとは言えません。
スリ・詐欺・強盗・殺人など、現地在住の邦人の方の中にも被害にあったことのある人は多いでしょう。
私も私の元同僚もスマホをスられたことがあるし、その元同僚の友人は3度も強盗に遭っています。
私の友人は財布を盗まれ奇跡的に犯人が見つかったのですが、逆に犯人から「あまり金を返せとしつこいと君の身に何が起きるかわからないよ?」と脅されたそうです。
警察官にセットアップをされ金銭を強請られる事もありますし、恨みを買えばアサシンを雇われ暗殺される事だってあります。
もっと小さなことで言えば、オフィスの机にボールペンやハサミを置きっ放しにしておけば3日もせずに無くなりますし、オフィス内でスマホの盗難事件だってありました。
日本にいるときのような感覚で移住すれば痛い目にあうでしょう。
インフラが貧弱・衛生面がいまいち
フィリピンのインフラは日本とは比べ物にならないぐらいに貧弱です。
台風などの災害がなくても停電が起きたりしますし、断水も頻繁にあります。
マニラはまだマシな方ですが皆無ではありません。
そしてそんな「まだマシな方」のマニラにも、「深刻な交通渋滞」と「大雨時の洪水」という別のインフラ問題があります。
インターネットはADSLが主流で低速であるだけでなく頻繁に回線障害を起こします。
マカティのような一等地を除けば道端はゴミだらけ。ゴキブリやネズミ、家の中にまで侵入してくるアリも悩みもの。
インフラが整った生活に慣れた、綺麗好きの日本人には正直キツイ環境でしょう。
時間にこだわらないフィリピンタイム
ここから先はフィリピンの良いところでもあり、同時に悪いところでもある文化。
フィリピン人は時間にルーズです。
誰かと待ち合わせをしても集合時間前に来る可能性は限りなく低いです。なんなら来ない可能性すらあります。
いわゆる「フィリピンタイム」です。
個人的な体験を1つ共有させて頂きます。
私が結婚手続きを進めるために、妻の教会の神父さんに相談をしていた頃の話です。
「○曜日の○時に訪ねてくるように」と言われたのですが、その日の朝に妻と私は別々の用事があったので○時前に教会近くのターミナルで落ち合おうと約束をしていました。
時間になっても妻が現れないのでテキストを送ると「もうすぐ着く」との返答。
しかし5分待っても10分待っても来ないため、「遅れるなら神父さんに連絡しないと」とテキストをすると、また「もうすぐ着く」との返答。
結局30分ほど遅れて到着したのですが、なぜ遅れたのかを聞くと「ご飯を食べていた」と言うのです。
・・・。
相手はこちらの結婚手続きのために時間を取ってくれているのにそのような理由で待たせるのは良くない、と軽く叱って教会へ向かいました。
まずは相手に遅れたことの謝罪をしなければと思いながら教会裏にある神父さんの家を尋ねると、奥さんが出てきて「今日は用事があって出掛けてるけど」とのこと。
・・・。
ぅおい!
連絡しろよ!
こっちも遅れたけど!
遅れること連絡しなかったけど!
携帯持ってるんだから連絡しようよ!
このようにフィリピンでは時間とか約束の観念が非常に曖昧です。
日本のように何もかもスムーズに進む成熟した社会に生きたい人にとってはイライラすることこの上ありません。
私も移住当初はしょっちゅうイライラしていました。
でも、ゆるーい社会でなあなあに生きていきたいという人には割と居心地が良いです。
今となっては私も結構居心地が良くなってしまって、人として一歩退化したなぁと思う今日この頃です。
仕事より家族が大事
フィリピン人は家族を何よりも大切にします。
仕事にかまけて家庭を顧みない日本人はぜひ見習うべきです。
なのに、なぜこれが良いところでもあり悪いところでもあるかというと、まず仕事に支障が出るから。
残業や休日出勤を嫌がるし、家族の誕生日や旅行などで簡単に仕事を休むので、経営者や管理職の立場だと苦労することになります。
次に日本人からすると、家族の中の一部のメンバーに大きな負担を掛けているように見えるという点。
例えば子供が大学を卒業して就職したら、まだ40代なのに仕事を辞めて子供に養ってもらうとか。
あるいは海外に働きに出た人間がフィリピンに残った親や弟妹に毎月送金し、残った家族は働きもせずダラダラと生きていることとか。
支えてる側のフィリピン人は家族思いのいい人だなーと思いますが、支えられている側は「お前ら何やってんの?」と冷たい目で見てしまいます。
これはまあ価値観の違いの問題なので日本人がどうこういうことではないのでしょうが、フィリピン人と結婚するとそういう人間が身内にいる可能性が高いので完全に他人事とも言えません。
まとめ
以上、フィリピンのいいところ・悪いところをご紹介しました。
移住前は理想の地に見えても実際住んでみれば嫌なところも見えてきますし、逆にそれまで気づかなかった良い面にも出会うでしょう。
移住しようか迷っているという人は、とりあえず移住してみたらどうでしょうか。
嫌になったら日本に帰るなり他の国に移住するなりすれば良いのです。
少なくとも「良いことが全くなかった」なんてことにはならないでしょうし、その経験も無駄にはなりません。
今の時代、海外移住なんて他県に引っ越すのと大して変わらない気軽なものだと捉えたらいいと思いますよ。