【旅のススメ】海外NEETの僕がタイに橋を掛けた話

マックビー(@Houshi)です。

これは僕が初めてタイを訪れた時の話です。

以前運営していた別のブログに書いた記事なのですが、ブログの整理をしていて、このまま削除するには惜しい気がしたのでここに転載することにしました。

これを読んでくれた方に、海外旅行の魅力が伝わるととても嬉しいです。

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タイに橋を掛けた話

プーケットではダイビング・ライセンスを取るため日本人向けダイビング・ハウスのあるシャローンに滞在していたのだが、ダイビングが出来ない(※昔肺気胸に掛かったことがあるため)ことが分かった今、この町には早々に用が無くなってしまった。

近場であるカロンビーチに宿を移動してしばらくはのんびりと過ごすこととした。
カロンは島南西部に位置する、プーケット唯一の鳴き砂を持つビーチである。
カロンの北側に位置するパトンビーチと比べて静かで日本人観光客が少ない。
別に日本人が多かろうが少なかろうがどちらでも良いのだが、鳴き砂が面白そうと言うのと、比較的静かな場所であると言う理由からこの場所に決めた。

カロン3日目。

ビーチを歩いていると行く手を海に流れ込む小川が遮っていた。
幅3m程、水深も足首が浸かる程度の深さで歩いて問題なく渡れるのだが、足が濡れるのを嫌ってなんとか濡れずに渡れないかと上流に上って行く人もいる。
丸太が架かっていた跡はあるのだが中程で半分流されてしまっている。
どうやらここは海外ニートで時間を持て余している僕の出番のようだ。

右手から架かった丸太は川の中程まて伸びている。
丸太の先端から対岸までは飛び越えるにはいささか距離がある。
ならば丸太の先端から対岸までにもうワンステップあればなんとかなりそうである。

周囲を探索してみると少し離れたところに手頃な流木を見つけた。
一抱え程あり重さは十分、且つ、なんとか一人でも運べそうである。
汗だくになりながら運んだ流木を小川に沈めると、わずかに水面に顔を出す。


施工後の写真がこちら。
画像中央が元々あった丸太。その少し左に顔を出しているのが僕が置いた流木。

我ながら良い仕事をしたものだ。
渡河する者には通行料を請求してもいいかもしれない。
だが、女性や子供が跳ぶには距離があり過ぎるだろうか。
まだまだKAIZENの余地はありそうだ。
海外にいるので意味もなく横文字を使ってみた。

自らの仕事の出来映えを確かめるため少し離れたところで見守っていると、最初の客が現れた。
一組のカップル。
女性の方はサンダル履きの為、小川の中を渡っていく。
男性の方はスニーカーである。
周囲を見渡し、丸太を見つけた彼はそちらに向かって歩いて行く。

丸太は非常に細い。
男性が滑り落ちないように、女性が川の中から手を差し伸べる。
微笑ましい光景である。
男性は丸太を慎重に渡っていき、その先端まで来た。
固唾を飲んで遠くから見守る僕。

いよいよ男性が僕の用意した流木へ足を伸ばそうとしたその時である。
予想だにしなかった事態が起きた。
丸太が大きくしなり、男性を跳ね飛ばしたのだ。

丸太は根元が地中に埋まり、先端に向かって宙に浮いていたためバネの役割を果たしたらしい。
川の中に着地した男性のスニーカーはもちろんびしょ濡れだ。
大惨事である。

なんということであろうか。
人助けの為に用意した橋が、まさかのトラップに早変わりだ。
その後も獲物、もとい、犠牲者は後を絶たない。
もはや入れ食い状態。ベトコンもかくや、である。

それまでは丸太を見つけても対岸まで距離があったため、みんな諦めて靴を脱いで渡っていたのが、僕がワンステップ用意したことによって、みな丸太を使い始めてしまったのである。
これは僕の責任だろうか?
いや、そもそもこの丸太を用意した人物の責任によるところが大きいのでは?

ともあれ、居たたまれなくなった僕は、その場を後にするより他なかったのである。

通行料は免除としようと思う。

旅のススメ

いかがだったろうか。

海外旅行の魅力がこれでもかと詰まった波乱万丈の物語ではないだろうか。

これに触発された読者諸氏が、大志を抱き広い海の向こうへと飛び出してくれるならば、筆者にとっても望外の喜びである。

・・・という今日はよく分からないノリでお送りしました。