マックビー(@Houshi)です。
今回は仮想通貨TRXのプラットフォームTRONについての紹介記事です。
目次
TRONとは?
TRONはデジタルエンターテイメント産業のコンテンツプラットフォームとなるべく開発されている、ブロックチェーン技術を利用したプロトコルです。
TRONは2017年9月にCEOであるJustin Sunによって設立された非営利団体『TRON Foundation』によって開発が進められています。
元々はイーサリアムネットワーク上のERC-20トークンでしたが、2018年6月に独自のメインネットへ移行し独立しました。
TRONはブロックチェーン技術により、クリエイターたちが作成した作品を自由にエンドユーザーと取引できるエンターテイメントコンテンツのエコシステムの構築を目標としています。
例えば、現在AppleやGoogle、Steamなどのアプリ・ゲームプラットフォームは売り上げの30%を手数料として徴収すると言われています。
TRONはこの中間搾取をなくし、クリエイターが作成したゲーム、動画、音楽などのコンテンツを直接エンドユーザーと取引可能なプラットフォームとなることを目指しているわけです。
TRONの基本情報
プラットフォームであるTRONですが、そのプラットフォーム上で使われる仮想通貨はTRONIX(TRX)と言います。イーサリアムでいうETHですね。
最大供給量は1000億枚。
2018年12月現在の時価総額は100億円を超え、全仮想通貨ランキングの12位につけています。
1秒間に2,000トランザクションの処理が可能となっており、これは現状のイーサリアムの80倍もの速度になります。
トランザクションのコストもイーサリアムより安く、また、以下に説明するBandwidth、Energyにより、ユーザーの選択によってコストをかけずにトランザクションコストを通すこともできます。
2018年7月には、有名なファイル共有ソフト『ビットトレント』を買収して話題にもなりました。
今後ビットトレントとTRONのブロックチェーンが統合されていけば、全世界で数億人にも及ぶビットトレントユーザーを取り込むことができます。
ブロックチェーン技術を利用した次世代のプラットフォームとして、存在感を増していくことになるでしょう。
スーパー代表者とは?
TRONのトランザクションの承認はDPoS(Delegated Proof of Stake)という方式を採用しています。
これはビットコインのように不特定多数のマイナーが参加するのではなく、コイン保持者の投票によってトランザクション承認者を選出するシステムです。
より多くのTRXを持てばより強い投票権を得られます。
TRONにおいては、投票にて選出された27名のスーパー代表者(SR:Super Representative)がトランザクションの承認を行なっています。
フリーズによって得られるBandwidth・Energy・TronPower
TRXにはフリーズすることで得られる以下の3つの要素があります。
- Bandwidth(バンド幅)
- Energy(パワー)
- TronPower(トロン投票権)
フリーズするとTRXをウォレットから動かすことができなくなりますが、TRX自体が消費されるわけではありません。
ただし、フリーズをした日から3日間はフリーズを解除することができません。
では、これらの3つの要素を以下に説明します。
Bandwidth(バンド幅)とは?
Bandwidthは送金などのトランザクションを通すための手数料の支払いに使うことができます。イーサリアムでいうガス代のようなものですね。
例えばウォレット内のTRXを取引所に送金したいといった場合、通常であればTRXを使ってその手数料を支払う必要があります。
しかしTRXをフリーズすることでBandwidthを得れば、そのBandwidthをTRXの代わりに使うことができるのです。
ただし、TRONでは1アドレスにつき5,000Bandwidthが毎日無料で割り当てられるので、1日に何度もトランザクションを通さない限りわざわざTRXをフリーズする必要はありません。
また、TRXをBandwidthとしてフリーズすると後で説明するTronPowerを得ることができます。。
Energy(パワー)とは?
EnergyはTRXをEnergyとしてフリーズすることで得られます。
Energyはスマートコントラクトの生成や稼働の際のトランザクション手数料に使用されます。
開発者がスマートコントラクトをデプロイする時や、ユーザーがスマートコントラクトを実行させる際に消費されます。
ユーザー側の視点で言えば、ブロックチェーンゲームをプレイする時などに消費されるということですね。
EnergyもBandwidth同様トランザクション手数料の代替支払い手段なので、EnergyがなければTRXにてトランザクション手数料が支払われます。
Bandwidth同様、TRXをEnergyとしてフリーズした際にもTronPowerを得られます。
TronPower(トロン投票権)とは?
TronPowerはTRXをBandwidth、またはEnergyとしてフリーズすることで得られます。
TronPowerはTRONプラットフォーム上において得られる投票権で、投票権はTRONのトランザクションの承認を行うスーパー代表の選出選挙に使用できます。
スーパー代表とその候補者たちは「PoS報酬のX%を投票してくれた人たちに還元する」などの公約を掲げているため、投票することで無料でTRXやその他のトークンを得られるということです。
一度投票設定をすれば後は自動で毎日投票報酬が入ってきます。
スーパー代表選挙の投票方法は以下の記事を参照ください。
投票によっていくらぐらいの報酬が得られるかは以下の記事を参照ください。
時間経過とともに回復・アンフリーズ(解凍)でなくなる
BandwidthもEnergyも使用した分だけ減ってしまいますが、時間経過とともに回復していきます。
また、アンフリーズ(解凍)するとそのフリーズによって得ていた分はなくなってしまいますが、再度フリーズすれば得られるのでご心配なく。
TRONのウォレット
スマホならアプリ内にフリーズ機能もある『TronWallet』が便利です。
PCならTronPayがおすすめです。UIがイーサリアムのウォレット『メタマスク』に似ているため、メタマスクに慣れた人なら直感的に操作できるでしょう。
もう1つ、TronLinkというウォレットもあり、普及率で言えばTronPayよりこちらの方が上でしょう。
ただTronLinkは現状あまり使い勝手が良いとは言えないので、個人的にはTronPayをおすすめします。
最後にウェブウォレットという方法もあります。
こちらはソフトのインストールなどせずに利用できるのが利点です。
TronScanというサイトが該当するのですが、このサイトはTRONを利用する上で必須のサイトとなっているので以下の記事をご一読ください。
BitTorrentトークンのエアドロップ
TRONによって買収された、ユーザー数1億人を誇る世界最大のファイル共有ソフトBitTorrentが発行するトークン『BTT』のエアドロップ(無料配布)が2019年2月11日から2025年2月11日にかけて行われます。
この期間中、TRX保有者は毎月11日にBTTを無料で得ることができます。
詳しくは以下の記事を参照ください。
仮想通貨TRXの購入方法
2018年12月現在、日本国内でTRXを取り扱っている取引所はありません。TRXを購入するなら海外の取引所を利用する必要があります。
日本国内の取引所でBTC(ビットコイン)やETH(イーサリアム)を購入後、海外の取引所に送金してTRXに交換しましょう。
海外の取引所では圧倒的なシェアを誇るBinanceがおすすめです。
海外の取引所の登録が面倒だという方はCoinSwitchというサイトで手軽に交換できます。
まとめ
TRONは今のところ日本では全く注目されていませんが、海外には相当数のTRON愛好者がいます。
TRONは今後3年間でブロックチェーンゲームに1億ドルを投資するとの発表もあり、今後間違いなくブロックチェーンゲーム界でのプレゼンスを増していくでしょう。
現状のイーサリアムのスケーラビリティを考えれば、ブロックチェーンゲーマーにとっても魅力的な代替ネットワークです。
今後どのようなDApps・ゲームが出てくるのか、注目してみていきたいと思います。