マックビー(@Houshi)です。
フィリピン滞在期間が5年ほどに達し、そろそろ在比邦人中級者ぐらいには片足を踏み入れてるんじゃないかな、と思う今日この頃。
今日から9月ということで、「ある理由」により多くのフィリピン人にとって「特別な期間」に突入しました。
そして、毎年「その理由」のせいで9月から12月はフィリピンを訪れるにはオススメできない期間となります。
今日はそんなお話。
9月から12月は何故フィリピン人にとって特別なのか?
ご存知の方も多いかと思いますが、フィリピンは過去スペイン、アメリカに侵略されたことにより、多くの西洋文化を其処此処に残しています。
それらの文化の中でも「スペイン人がフィリピンにもたらした最も偉大なもの」として、多くのフィリピン人が挙げるのがキリスト教です。
フィリピンはアジアでは珍しく、国民の9割以上が何らかのキリスト教の宗派に属すクリスチャンの国なのです。
街中を歩けば至る所に教会があるし、ジプニーやトライシクルと呼ばれるローカル交通機関に乗れば、キリストの彫像や「God bless you」などの装飾が車内に見られます。
そんなフィリピン人にとってクリスマスは一年で最も特別な日であり、楽しみ過ぎなあまりに、9月に入るとクリスマスに向けて準備を始めてしまいます。
街中にクリスマスソングが流れ、ショッピングモールはクリスマス商品を取り扱い始め、多くの家庭がネオンで家を飾り付け始めるのです。
フィリピンではこれらの月を、September, October, November, Decemberのお尻3文字を取って「ber months(バーマンス)」と呼び、実に1年の3分の1もの長期に渡ってクリスマスを楽しみ続けるのです。
お祭り好きなフィリピン人
フィリピンは日本と比べると娯楽が少ないので、何か大きなお祭りごとがあるとそれに向けて全身全霊を注ぎ込む傾向があります。
誕生日は次の給料日まで金欠で困るほど盛大に祝い、子供が学校を良い成績で卒業すれば写真入りの垂れ幕まで作ってパーティを開き、結婚式はその後の新婚生活に影響を及ぼすほど派手に祝います。
また、フィリピン国内の多くの企業は、毎年4〜5月にはカンパニー・アウティングと呼ばれる社員旅行、10月にはハロウィン、そして12月にはクリスマスパーティを催します。
これらのイベントに注ぐフィリピン人の情熱は相当なもので、普段フィリピン人社員の働きぶりに不満を抱える多くの日本人経営者も、この時期のフィリピン人の働きぶり(本業ではなくイベントの準備ですが・・・)には舌を巻きます。
こういうフィリピン人の性質は何も悪いことばかりではなく、例えば某航空会社のフィリピン支店で働く友人は「イベントブースの設置時などに発揮されるフィリピン人のパワーには日本人じゃ敵わない」と言っていました。
イベントごとを自ら楽しみながらみんなで盛り上げていくのが上手いのでしょうね。
陽気で歌って踊るのが大好きな、生まれついてのエンタテイナー的な人がフィリピンには多いです。
暴走するフィリピン人
そんなお祭り好きなフィリピン人。クリスマスともなれば、それはもう1年の総決算。
家族みんな揃って食卓を囲み、普段より豪華な食事を共にする幸せを享受できることを神様に感謝する日なのです。
何があろうと、この一大イベントを祝わない理由はありません。
しかし、ここで問題となってくるのがフィリピンはまだ発展途上国であり、あまり豊かな国ではない・・・、というか比較的貧しい・・・、ぶっちゃけド貧乏な国です。
失業率も高く仕事がないため食うにも困る、という家庭が掃いて捨てるほどあります。
そんな彼らが、クリスマスを楽しみに待つ妻や子供のためにお金を工面するとなると選択肢はさほど多くありません。
なんと、フィリピンではバーマンスになるとクリスマスを祝うための強盗事件が多発するのです。
お金がないなら奪えばいいじゃない、の精神です。
人から奪ったお金でクリスマスを祝うなんて宗教として本末転倒な気もしますが「悪いことしても祈れば神様は赦してくれるから大丈夫」なのです。
気にしたら負けです。
この件に限らずどうもフィリピンでは、キリスト教の良い部分と南国気質の良い部分が、ダメな方向に化学反応を起こしてるように見受けられます。
まとめ
そんなわけで、みなさん、9月から12月にフィリピンを訪れるのはお勧めしません。
12月は特に危険です。
私の友人の友人は一般のフィリピン人では住めないような高級コンドミニアムに住んでいたのですが、会社からの帰宅時にコンドミニアム付近でひと月に3回強盗にあったそうです。
あと、フィリピンの年越しはそこら中で爆竹を鳴らして祝うので、それが原因で怪我をしたり火事になったりという事故が多発するので、年越しもお勧めしません。
近年は爆竹が規制されてはいるのですが、「規制?何それ?」という人が相当数いるので、あまり改善された気がしないですね。
フィリピンを訪れるならカンカンに晴れる猛暑期の4〜5月が、気候的にも治安的にもお勧めです!